月光園短歌サークル

2015年9月の歌会

涼しさにひと息つく日ふと見れば

さくらの梢色づき初むる

E.K

歌集「あかまんま」ページめくれば浮かびくる

楽しみ悲しみ思ひ出たくさん

T.T

ああうれし四種の麺のめん祭り

好みのタレで食べておかわり

S.I

この頃のわれは眠りの浅くなり

リハビリするにも力入らず

M.S

庄内に秋雨前線居座りて

乾きし大地生き返りたり

A.S

涼しさに食欲わきて友誘ひ

昼のバイキングあれもこれもと

A.S

登りつけば怒濤の海の一望に

言葉失ふここ塩屋崎

E.K

風荒れて打ち合ふ高波灯台の

最上階に足すくみたり

E.K

たくさんの荷物背負ひて登校の

吾子を見送る夏休み明け

Y.S

帰省するわれを待ちゐて買物に

誘ひくれたるふるき友あり

T.S

帰省のたびわれを気づかひ好物の

料理を作る介護ヘルパー

T.S

休み中遊び過ぎたる最終日

いかになるかは神のみぞ知る

T.S

台風に黄金の稲穂揺れ止まず

刈取り真近豊作祈る

T.S

突然の友の訃報にその弔辞

読む夫の声涙にとぎる

H.I

今もなほ君の笑顔もその声も

わが家の居間に日々在りありと

H.I

長月の夜半の目覚めにかすかなる

虫の音聞きてしばしまどろむ

S.O

雪かぶる南天の実をひよどり

忙しくつつきまた飛び立ちぬ

S.O

風立ちて花びらの船揺らしゐる

蓮の花散る上池に秋

S.I

少年の点前清しき夕茶会

ほほづきの朱竹籠に映ゆ

S.I