月光園短歌サークル

2017年2月の歌会

ノロウィルス警報に今年はひと工夫

タオルを餅に見たててもち搗き

E.K

年男年女らが豆を播く

節分に願ふ幸多かれと

S.I

暑がりがいつの間にやら寒がりに

私の体質変わったのいつ

K.H

木から木へ朝の小鳥の声わたり

われの起床を促すやうに

A.S

初場所に優勝の大関稀勢の里

万感の涙頬をつたひて

A.S

子らを送り今日より一人となる家の

玄関に貼られし「忌中」の小札

E.K

寒々と静もる家に灯をともし

遺影の夫に「お父さんただいま」

E.K

仕事抜け授業参観に駆けつけし

われを確かめ吾子はほほゑむ

Y.S

マスクかけ歩める者ら多くなり

インフルエンザに言葉少なし

T.S

何事も心穏しく日々過ごす

感謝の心幸せ招く

T.S

心寄せ紡ぐ絆の長かりし

君は旅立つ遥か彼方へ

H.I

歌会の閉講の報せ今はただ

汲めどもつきぬ感謝の思ひ

H.I

早朝の城址の壕に張る氷

歩む鴉の仕草をかしき

S.I

春日さす病室に置く旅の本

リハビリの夫に会へずに帰る

S.I

在りし日の幸せの日々映されて

思ひ出あまた寂しさつのる

T.S

待ちかねし十九年ぶりの誕生に

気品そなはる日本の横綱

T.S